放課後児童クラブの役割 ~運営指針解説~②

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放課後児童クラブの役割 

2.放課後児童健全育成事業の役割
(1)放課後児童健全育成事業は、児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号。以下「法」とい
う。)第6条の3第2項に基づき、小学校(以下「学校」という。)に就学している
子ども(特別支援学校の小学部の子どもを含む。以下同じ。)であって、その保護者
が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後(以下「放課後」という。)
に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与え、子どもの状況や
発達段階を踏まえながら、その健全な育成を図る事業である。
(2)放課後児童健全育成事業の運営主体及び放課後児童クラブは、児童の権利に関する
条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して育成支援を推進することに努め
なければならない。
(3)放課後児童健全育成事業の運営主体及び放課後児童クラブは、学校や地域の様々な
社会資源との連携を図りながら、保護者と連携して育成支援を行うとともに、その家
庭の子育てを支援する役割を担う。

2.放課後児童クラブ運営指針 第1章より

 対象となる子どもの要件、事業の行われる時間、実施場所及び事業の目的が記載されています。要点をまとめると以下のようになります。

  1. 対象は小学校に就学している子どもで、その保護者が労働等により昼間家庭にいないもの
  2. 授業終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与え、子どもの状況や発達段階を踏まえながら、その健全な育成を図る
  3. 児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して育成支援を推進
  4. 学校や地域と連携を図りながら、保護者と連携し、家庭の子育て支援する役割を担う。

着目点

「1.」と「2.」については放課後児童支援員の方々には特に解説するまでもなくという内容だと思いますので簡単な説明にとどめておきます。

対象となる児童の要件、育成支援提供の場所、子どもの状態や発達段階を加味しての遊びや生活の提供をすることが書かれています。

児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して育成支援を推進

 まずはこの部分に1つ着目をしていきたいと思います。「児童の権利に関する条約の理念にもとづき」とありますが、具体的にはどのような条約にもとづいているのでしょうか?

児童の権利に関する条約

 1959年に採択された「児童の権利に関する宣言」の30周年に合わせて、1989年11月20日に国連総会で採択されています。1990年9月2日に発効し、日本国内では1994年5月22日から効力が発生しています。条文は検索すると出てくると思いますので詳しく知りたい方はお調べください。

子どもに関する要点ですと

・生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)
すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されます。

・子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)
子どもに関することが決められ、行われる時は、「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考えます。

・子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること)
子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。

・差別の禁止(差別のないこと)
すべての子どもは、子ども自身や親の人種や国籍、性、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます。

 放課後児童クラブでは上記した要点をまずは基本に抑えて、運営に当たったり、育成支援に取り組んだりという事が原則としてあると考えます。1つ抜きだして考えてみると「子どもの最善の利益、子どもにとって最もよいこと」とありますが、本当にそこまでの事は考えられているのでしょうか?どうしても大人サイドの都合で子どもを管理しているという部分も思い返してみるとあるのではないでしょうか?子どもの権利の部分は意外と抜けてしまっていたり、考慮しているつもりになってしまう部分であると思いますので、定期的に振り返る部分であると思います。

 条文からはその他の項目も多くあり、私も読んでみてこんなこともあるのかと思ったこともたくさんありましたので一度読んでみると良いかと思います。

他参考

 その他の子どもの権利に関する法令等も紹介しておきます。大きなところでは「憲法」、「児童福祉法」「児童憲章」などもありますので気になった方は見てみるのは如何でしょうか?

学校や地域と連携を図りながら、保護者と連携し、家庭の子育て支援する役割を担う。

 もう1つの部分も注目してみます。着目のポイントは「保護者と連携し、家庭の子育て支援」という部分です。学童保育を掲げる場所も年々増加してきており、場所によっては子どもの預かりの場としてだけ機能しており、保護者との連携がほとんど無いような場所もあるかと思います。また、「子育ての支援」というよりは習い事のようなプログラムを提供したり、宿題などを終わらせるなどで満足させようとする場所、放課後児童クラブの目的からは私はずれていると思います。

 学校や地域との連携や協力は言うまでもなく必要となってきますので今回の解説では取り上げませんが、必ず必要となってきます。保護者からの相談等への対応においては、必要に応じて子どもに関わる地域の様々な相談窓口や関係機関と連携しながら、放課後児童クラブに通う子どもの家庭の子育てを支援する役割を担うことが期待されています。

まとめ

 放課後児童クラブの役割について意識していないと忘れやすい部分について解説をしました。子どもの権利「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」等を保証するために、権利擁護に関する知識及び意識を高め、子どもの最善の利益を考慮する必要があります。その為には、放課後児童クラブ内だけでなく、学校や地域と保護者とも連携し、「子ども第一」のクラブになれるようにしていくことがクラブの充実につながっていきます。

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