伝え方 話すこと・会話編
今回も保護者への伝え方を解説していきます。前回は文章による伝え方編としましたが、今回は話すことによる伝え方編です。別記事で保護者との連携の必要性を書きました。そちらもまずは見ていただくと良いです。
前回も載せておきましたが、おさらいも兼ねて保育指針も載せておきます。
〇子どもの出欠席についてあらかじめ保護者からの連絡を確認しておく
〇放課後児童クラブにおける子どもの遊びや生活の様子を日常的に保護者に伝え、子どもの状況について家庭と放課後児童クラブで情報を共有する。
〇保護者への連絡については、連絡帳を効果的に活用することが必要である。その他、保護者の迎えの際の直接の連絡、通信、保護者会、個人面談等の様々な方法を有効に活用する。
放課後児童クラブ運営指針 第3章4保護者との連携(1)保護者との連絡より
日々の出欠確認から日常の様子などを保護者に確認をし伝え、情報を共有することが必要になってきます。情報共有方法についての手段も色々とある事も書かれています。伝える方法をそれぞれ解説していきます。どの方法にも長所・短所がありますので良く理解をした上で使い分けてもらえると良いです。長所は青枠、短所は赤枠で記載しておきます。
迎えに来た時など直接会って話す、(電話で話す)個人面談
- 直接話すことができるので、内容だけでなく表情や声色などでも今の気持ちがわかる場合もある。
- 誤解が生まれそうな場合でもその場で修正や訂正が効く場合がある。
- 話したい事だけでなく、時間があればその他の事もお互い話すことができる。
- 来ることが難しい場合でも電話で直接話すこともできる。
- 忙しい人やあまりクラブに足を運んでくれない人とは中々調整がつかない。
- 目に見える記録として残らないので、言った言っていないのトラブルに発展することもある。
- 文章で書くのと違いじっくりと考える時間が無い。
内容によっては必ず会話をするという事を私は決めています。ケガや体調不良があった場合、けんか等対人・対物でトラブルがあった・トラブルに発展しそうな場合、この2つの場合は必ずその日の内に話をするように決めています。もちろんクラブ内での連絡対応も統一しています。ケガや体調不良は万が一、連絡帳などが行きわたらなく伝わらなかった場合に急変などを起こしたら、対処が遅れてしまい本人に重大な事が起きる可能性があります。トラブル系もその日の内に知ることができれば、家庭でもフォローができるからです。また、相手がいてケガをさせた、物を壊した・盗ったなどがあった場合は謝りを入れる必要が出てくることもあるからです。
普段から話の出来る人には日常の様子を伝えつつ、話やすい雰囲気を作っておくと良いです。とは言っても普段から迎えの人ばかりではないので、普段は会って直接話の出来ない人もいるという事はわかっておかなければなりません。
個人面談
個人面談を設定する場合もあります。場所によっては全世帯という所もあり、学年によってや希望者のみなど参加者の設定はそれぞれの場所によって異なります。個人面談では一定の時間、保護者と直接話ができる為、個別に現在の状況や気持ちを聞き取ることができるため、子ども一人一人の理解を深める事に繋がります。調整して話す機会を作ってもらっているので、有意義な時間にしたいところではあります。その為にも支援員サイドは事前に児童の日頃の様子や気になるところなど、伝えたい事・聞きたいことをまとめて、複数の支援員が面談に参加する場合は共有しておかなければなりません。事前にまとめておく、共有しておくことで保護者にも伝わりやすくなりますし、簡潔に伝えることで相手の話す時間も確保することができます。
個人面談は何かあった時に随時行われることもあります。近々に話しておかなければならない事などがあった場合には急遽開催なんて言う事も時々あります。そんな時も子ども・保護者の気持ちに寄り添い適切な対応ができるといいですね。
保護者会
保護者会の存在するクラブでは定期的に集まって開催されている事もあります。この保護者会も子どもの様子を伝えることができる大事な機会なので是非とも支援員も参加しましょう。普段の平日には来所できない方も保護者会には参加してもらえるという機会にもなります。保護者会の議題にその月の子ども達の様子、良かった事、現状の課題、支援員として伝えたい事などが盛り込まれていることがあります。
- 他の要因が入ることなく保育の様子を伝えるという事だけができる場
- 慣れないと緊張感が高い
- 台本を作って読むだけでは印象があまり良くない
通信やおたよりでは文章で全体に様子を使える手段です。保護者会の場では参加してくれている人にはなりますが、全体に直接話すことで子どもの様子を伝えられる機会となります。慣れないうちは多くの保護者の前で緊張するかとは思いますが、自分の言葉で自分の保育を話すことができます。自分の保育について話ができ、保護者に伝えることは必須となります。最初からうまく伝えることができなくとも、子どもや保護者と真摯に向き合い伝えていこうという気持ちがあれば最初は十分です。徐々に慣れていき話せるようになってこれば良いのです。経験を重ねてきた方も新人だったころの気持ちを忘れずに伝えていこうとする心構えは忘れないようにしたいです。
伝える際に注意しなければならないこと
「わかりやすく・簡潔に・具体的に」多くの専門家の方が伝える時に気を付ける事として本やネットの記事などでも多く紹介されていますが、とても難しいですよね・・・。こういう分野ではもっと詳しい方がいると思いますので、私は学童で保護者の方向けに気を付ける事としてまとめておきます。一般的な伝え方の基本は検索すれば山のように出てくると思いますので是非ともお調べください。
わかりやすく
学童の保護者は様々な職業の方がいます。これまでの経歴もそれぞれ様々です。全ての方にわかりやすく話すことが必要になります。不必要に難しい言葉を使ったり、学童業界の用語ばかり使わないように心がけたいです。もちろん、丁寧な言葉使いやあまりにも馴れ馴れしい言葉は使わないなどは基本ですよね。
簡潔に
時折自分の保育の話に熱が入りとても長々と正直何を伝えたいのか良く伝わってこない支援員の方もいます。(熱心さだけは伝わってきます。)話し終わった後に本人としては話し切ったのような顔をしていることもありますが、聞いている人はうんざりしてしまう場面もありますよね。保護者の方も忙しい中時間を作って話していたり、保護者会に参加している方もいます。伝えたいポイントはしっかりと押さえて何を話しているのか分からないなんて事にはならないように気を付けたいです。
具体的に
実際に起きた保育の事例などを交えて聞いたらその姿が想像できるくらいになれば素晴らしいです。「印象的だった保育中の出来事」、「伝えたい出来事」、「保護者の方にも考えてもらいたい出来事」、その時々で具体例をあげつつ話すとわかりやすくなると思います。
まとめ
文章だろうが話だろうがあくまでも手段に過ぎません。あくまでも目的である、学童の事・子どもの事を伝え、伝えてもらい保護者との信頼関係を気づいていくことを目指しています。話すのが苦手だからこそ積極的に取り組んでいくと良いと思います。うまくいかなくともその姿は必ず伝わる事でしょう。逆に小手先だけでうまく伝えようとしてもバレてしまいます。どういう場面でどのような伝え方をするかをしっかり学び生かしていってもらえればと思います。
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